悪徳業者被害の70%以上が訪問販売
外壁塗装工事ほど手抜きをし易い工事は無いと言われています。
実際、悪徳業者も大変多く、被害の70%以上が訪問販売だそうです。
ですから、あなたがもし、「あの人はいい人そうだったからそんな人じゃないよ」とかそんな風にすぐ信用してしまったり、訪問販売員を断れずについつい話を聞いてしまうような心優しい人だったら注意して頂きたいです。
自宅に来た営業マンがどんなに良い人そうでも決して即決してはいけません。
悪い人が見るからに悪そうな顔をしているとは限らないのです。
悪徳業者は「近くで工事をしているから安くできる」「今日中に契約してくれたら半額」などと値引きをエサにしたり、「すぐに外壁を塗り替えしないと大変な事になる」等と言葉巧みに不安を煽って契約を急がせます。
「安くする」「通常の半額」と言われてもあなたはそれが本当に安いのか高いのか判断ができますか?
訪問販売では、ぼったくりや後から追加工事が発生して結局高くついたりといったトラブルが後を絶ちません。
そしてそんな悪徳業者が行う塗装工事は当然ですが手抜き工事、不良工事です。
訪問販売での契約は8日以内であればクーリング・オフ(契約解除)ができます。
ですからもし訪問販売で契約してしまって後から少しでも不安に感じた場合はすぐにこの制度を利用しましょう。
特定商取引法におけるクーリング・オフができる取引と期間
- 訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールス等を含む):8日間
- 電話勧誘販売:8日間
引用:国民生活センター
外壁塗り替え工事は決して安くありません。それでも大切な我が家を長持ちさせる為にお金をかけて行う一大事業です。
絶対に騙される事のないようにしなければなりません。
ここでは悪徳業者の手口と対処法を書いていきますのでぜひご覧ください。
悪徳業者の手口と対処法
ぼったくろうとする
外壁の塗装工事はしょっちゅうお世話になるものでは無く、価格も目にする事が少ない為、費用相場が非常に分かり難いです。
その為、相場を超える費用を請求されても気づかず支払ってしまう人も多く、悪質業者被害が後をたちません。
騙される人の多くが複数業者から見積もりをとる事無く、1社からの見積もりだけで塗装工事の契約を決めてしまっています。
対応策:複数業者の見積もりをとる
くれぐれも訪問販売員の口車に乗って慌てて契約してしまってはいけません。契約する前に必ず複数社から見積もりをとるようにしましょう。
そうする事で競争原理が働き、少なくとも法外な金額を提示される危険は避けられます。
一社ずつ見積もりをとるのが面倒なら一括見積もりがおすすめです。
対応策:見積書をチェックしもれなく記載してもらう
また、契約では見積書や契約書が全てです。後から追加工事が発生して結局高くついてしまう事の無いように見積もり書の項目に作業内容が全て明記されているか等、しっかりチェックしておきましょう。
(下記の項目や数量や単価、仕様、塗料のメーカー・製品名の記載があるか。○○一式の様な記載では無く平米数や使用する塗料の缶数等が具体的に記載されているか等をチェックします。疑問が有ればきちんと確認し、きっちり記載してもらいましょう。外壁塗装はお金のかかる工事です。これらを面倒くさがるような業者とは契約しない方が無難です。)
- 足場
- 高圧洗浄又はバイオ洗浄等
- 養生
- 下地処理(ケレン1種〜4種、クラック補修)
- コーキング(打ち直し・打ち増し)
- 塗装
- 外壁:下塗り・中塗り・上塗り
- 屋根:下塗り・中塗り・上塗り
- スレート屋根・コロニアル屋根の場合:タスペーサー又は縁切り
- 付帯部分
- 破風板・鼻隠し
- 軒天
- 雨樋
- 雨戸・戸袋
- シャッターBOX他
- その他
バルコニーの塗装
廃材処理費など
塗料をごまかす
約束と違うグレードの低い塗料を使ったり、メーカーの指定する規定量以上に塗料を薄めて塗料代をごまかそうとする悪徳業者もいます。
業者にしてみれば、塗料を薄めるとサラサラと塗りやすい為、作業が捗り人件費が抑えられます。
また使用する塗料の量も少なくて済み、一見綺麗な仕上がりみ見えるの為、よく使われる手口です。
しかし、見積もりよりグレードの低い塗料や規定以上に薄めた塗料では払った分に見合う程の耐久性は到底期待できません。
依頼する側にしてみれば、見積もりと違う塗料を使われても塗料缶をチェックしていないと分かりませんし、規定以上に薄めて使っても見抜くのは大変難しいです。
その場で不正を見抜くことができずにその結果、2〜3年後に塗装が剥げてきてしまっても悪徳業者は逃げの一手でこちらは泣き寝入りです。
対応策
- 見積もり書に塗料のメーカー及び製品名、塗装面積、使用量(塗料缶の数)を記載してもらう
- 使用前の塗料缶と使用後の塗料缶の写真も全て工事完了報告書に載せてもらう。
これにより、使用中の塗料缶が見積書通りか、塗料メーカーが指定する基準塗布量を守っているか、薄めすぎていないかをチェックする事ができます。基準塗布量とはメーカーが推奨する1缶あたりの標準塗布量です。これを超えて薄めて塗ってしまうと性能を保証する事ができないというものになります。
こういった事をきちんと要求し、こちらが知識を持っている事をアピールする事が不正をけん制し、未然に防ぐ事に繋がります。
塗り重ねる回数をごまかす
外壁塗装では下塗り、中塗り、上塗りの3回の塗装が基本です。3回塗り重ねる事で塗料本来の耐久性を十分に発揮する事ができ、見た目にも美しく仕上がるのです。
しかし、この塗装回数をごまかすという手口が手抜き工事の中でも一番多く行われています。
見積もりでも3回の塗装をうたっておきながら実際には下塗り無しで1回で仕上げたり、下塗り上塗りの2回で終わらせたりといった手口もよく行われています。
塗装回数を減らされても完成してしまえば、なかなか見抜く事は難しいです。
しかし、3回の塗装で仕上げるべきところを実際には手を抜いて1回や2回で完成させてしまうのですから本来の耐久性は発揮されません。
塗装回数を減らせば2〜3年後すぐに塗装面が色褪せてきたり、剥げてきたりといったトラブルに繋がります。
対応策
下塗りのシーラーやプライマーについては元々、色が違うので分かりやすいですが、中塗りと上塗りは同じ色の塗料を使う事が多いので分かり難いです。
ですから対策として中塗りと上塗りの色を微妙に変えてもらうのが効果的です。
そして下塗り、中塗り、上塗りの各段階の写真を撮って工事完了報告書に載せてもらうのがおすすめです。
塗装工事中ずっと見ていられれば良いですがなかなかそうはいかないと思います。ですから、契約前に各工程ごとの写真と説明が記載してある工事完了報告書の提出をしてもらうよう約束してもらいましょう。
まとめ
ここまで手抜き工事の手口を見てきて如何でしたか。気を付けるべきポイントが分かりましたでしょうか。
騙されないためには最初の業者選びと契約時がターニングポイントになります。
後で泣き寝入りをしない為にぜひとも実行して頂きたい事をここでまとめておきます。
- 一括見積もりなど複数業者から見積もりをとる。
- 見積書に項目や仕様、単価、数量、塗料のメーカー・製品名、塗装面積(u)、使用する塗料の量(缶の内容量と数量)をしっかり記載してもらう。
- 契約前に工事完了報告書の提出を約束してもらう。契約書にも記載してもらう。
- 各工程ごとの写真と説明が記載してあるもの。例えば壁や屋根の下塗り・中塗り・上塗りごとや高圧洗浄、下処理など工程ごとの写真
- 使用前の塗料缶と使用後の塗料缶の写真も全て載せてもらう(規定塗布量を守って薄め過ぎを防ぐ為に)
これらの要求や質問をしても嫌な顔をせず、真摯に向き合って応対してくれる誠実な塗装業者ならきっと満足のいく外壁塗装工事をしてくれる事と思います。
良い工事業者がみつかりますように!